初めて買った株は「いすゞ自動車」
私が初めて株を買ったのは、リーマンショック後の2008年12月頃だったと思います。
当時の私は、「銀行に預けても金利はほとんど付かない。それなら配当金がもらえる株を持った方が少しでも生活が楽になるかもしれない。」そんな単純な考えで、妻には内緒で株を始めました。
今振り返れば、とても知識不足の状態でした。
初めて購入したのは、いすゞ自動車でした。
配当金は1株10円。株価は110~120円ほどだったと記憶しています。
私が住んでいた川崎南部は、いすゞ自動車で働く方も多く、地域では誰もが知る大企業でした。
「さすがに100円は切らないだろう。」
「3月決算だし、配当も出る。」
そんな甘い考えで、住宅ローンを抱えながら約20,000株、220万円ほど投資しました。
今思えば、初心者としてはかなり思い切った金額でした。
株価より怖かったのは、自分の無知だった
ところが、その後状況は一変します。
世界的な金融危機の影響で、多くの企業が次々と無配を発表しました。
もちろん、いすゞ自動車も例外ではありません。
株価は100円を割り込み、80円台まで下落しました。
「本当に会社が潰れてしまうのではないか。」
そんな恐怖に耐えられず、私は約50万円の損失で株を売却しました。
その後しばらく、「株は怖い。」そう思い込み、株式投資から離れることになります。
今振り返ると、怖かったのは株ではなく、自分の知識不足だったのだと思います。
離婚後に出会った二つの株
その後、離婚を経験し、子どもたちは福岡で暮らすことになりました。
会えるのは、お盆やお正月、夏休みなど限られた期間だけです。
しかし、その時期は航空会社にとって一番の繁忙期で、飛行機代も決して安くありません。
そんな時、叔父が持っていたANA株の株主優待券を使わせてもらい、そのありがたさを知りました。
叔父が株を手放したタイミングで、今度は私自身がANA株を購入しました。
400株保有し、年に4枚の株主優待券。
子どもたちの往復分として使えるようにしたのです。
同じ頃、映画が好きだった私は東急レクリエーションの株も購入しました。
当時は約1,000株保有すると、109シネマズで半年に6回、年間12回映画が観られる、とても魅力的な株主優待がありました。
長く保有するつもりで購入した二つの株でした。
ANA株が守ってくれた子どもとの時間
ANA株は、配当金以上の価値がありました。
株主優待券のおかげで、繁忙期でも飛行機代を大きく抑えることができました。
そして何よりありがたかったのが、ANAのキッズサポートサービスです。
まだ小学生だった子どもたちを、福岡空港から羽田空港までスタッフの方が付き添って送り届けてくださるサービスでした。
安心して子どもたちを迎えに行ける。
それだけで、本当に救われました。
コロナ禍でANAが無配になっても、私は売ることができませんでした。
株価や配当ではなく、子どもたちとの思い出が詰まった株だったからです。
東急レクリエーションがくれた一人の時間
一方、東急レクリエーションも私にとって特別な株でした。
離婚後、一人で過ごす時間が急に増えました。
何をしたらいいのか分からず、少し自暴自棄になっていた時期でもあります。
「このままではいけない。」
そう思い、ラゾーナ川崎のスポーツジムへ通い始めました。
そして、ジム帰りに109シネマズで映画を一本観る。
それが私の日課になりました。
今では当たり前ですが、当時の私は一人で映画館へ行くことさえ苦手でした。
株主優待のおかげで、その一歩を踏み出せた気がします。
さらに、この東急レクリエーションは私にとって初めて売却益をもたらしてくれた株でもありました。
今では上場廃止となりましたが、私にとって忘れられない銘柄です。
50代になって変わった株との向き合い方
今の私は、企業のサービスを実際に利用し、
「応援したい。」
そう思える会社の株を買うことが多くなりました。
配当金だけではありません。
株主優待だけでもありません。
その会社の商品やサービスが、自分の生活を少し豊かにしてくれるか。
そんな視点で投資するようになりました。
そして、いすゞ自動車での失敗以来、常に心掛けていることがあります。
それは、
余剰資金で無理をしないこと。
そしてもう一つ、大切にしていることがあります。
それは累進配当や、長く安定して配当を増やし続けてくれる企業へ投資することです。
若い頃は株価ばかり気にしていました。
しかし50代になった今は、毎年少しずつでも配当が増えていく安心感に価値を感じるようになりました。
短期間で大きく儲けることよりも、長く安心して持ち続けられる企業を応援したい。
そんな投資スタイルが、今の自分には合っているように思います。
株は人生を少し豊かにしてくれる
アベノミクスで株価が大きく上昇していく様子を見ながら、私は一つのことに気付きました。
株が怖いのではありません。
本当に怖いのは、
「よく分からないまま、儲かりそうだから始めること」
でした。
あのリーマンショックでの失敗があったからこそ、今では何かを始める前に徹底的に調べる習慣が身につきました。
若い頃の私は、「株はお金を増やすもの」だと思っていました。
でも50代になった今は、少し考え方が変わりました。
ANAは子どもたちと過ごす時間をくれました。
東急レクリエーションは、一人でも前を向くきっかけをくれました。
そして、リーマンショックで経験した失敗は、今の私の投資の土台になっています。
若い頃は、株はお金を増やすためのものだと思っていました。
でも50代になった今は少し違う見方をしてます。
私にとって株は、お金だけではなく、人生を少し豊かにしてくれる存在だったのです。
これからも、自分が応援したいと思える企業へ、無理のない範囲で長く投資を続けていきたいと思います。
人生は終わらない。
50代
まだ終わらない。
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