50代、捨てられなかった自転車|14年前のビアンキと、あの頃の自分

日本丸と横浜の観覧車を背景にしたビアンキのクロスバイク

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引っ越しで、どうしても捨てられなかったもの

以前、みなとみらいへの引っ越しで荷物をかなり整理した話を書きました。

その時、最後まで残したものとして、

・子どもの思い出の品
・キャンプ用品
・そして、最後まで迷った漫画

という話を書きました。

【関連記事:50代、みなとみらいへ引っ越して分かったこと】

でも実は、もう一つありました。

かなり最後まで迷ったけれど、どうしても捨てられなかったもの。

それが、一台の自転車です。

今でも月々、駐輪場代を払っています。

正直、最近はほとんど乗っていませんでした。

それでも処分できませんでした。

Facebookを遡ったら、2012年に買っていた

「これ、いつ買ったんだっけ?」

と思ってFacebookを遡ってみたら、2012年でした。

もう14年も前です。

買ったのは、ビアンキのクロスバイク。

カメレオンテ2というモデルでした。

当時は自転車に詳しかったわけでもありません。

でも、お店で見た瞬間にほぼ一目惚れでした。

後から「チェレステカラー」という色だと知りましたが、クリームソーダのような、何とも言えない水色。

そしてフレームの曲線。

見た瞬間、

「これ、かっこいいな」

と思ったのを覚えています。

初めて買ったクロスバイクでした。

それまで乗っていた普通の自転車とは全然違って、軽いし、思った以上にスピードが出る。

時速15km、20km、25kmと、自分の足でどんどん前に進んでいく。

それが本当に楽しかった。

2012年は、私にとって大きな転機だった

2012年といえば、東日本大震災の翌年。

そして私自身にとっても、大きな転機の年でした。

妻から別れを切り出され、3月には家を出ていきました。

当時の私は、一人で何かを楽しむこともほとんどできませんでした。

ただ呆然として、

何をしていいのか分からない。

だから、とにかく仕事をしました。

がむしゃらに働いて、スポーツジムにも週5回くらい通っていました。

そして、その頃にこのクロスバイクを買いました。

振り返ると、

今の自分の考え方の土台ができ始めたのは、この頃だったのかもしれません。

うまくいかないなら、何かをする。

止まっているより、とにかく動く。

今の「人生を再設計する」という考え方の原型みたいなものが、あの頃に少しずつでき始めていた気がします。

この自転車で、いろいろな場所へ行った

世界貿易センタービルと東京タワーを背景にしたビアンキのクロスバイク

買ってからは、本当によく乗りました。

一時期は、川崎から港区の会社まで自転車で通ったこともあります。

自宅から会社まで約1時間。

みなとみらいまでは約40分。

そして、何度か鎌倉まで走りました。

横浜までは比較的平坦で走りやすい。

でも鎌倉まで行くと、坂道もかなりあります。

正直、結構きつい。

それでも、ものすごく気持ちよかった。

自宅から建長寺まで走って、お参りする。

そこから鶴岡八幡宮へ行く。

七里ヶ浜で海を見る。

七里ヶ浜の海を背景に停めたビアンキのクロスバイク

最後に稲村ヶ崎温泉に入る。

そしてまた自転車で帰る。

今思い返しても、最高の休日でした。

自転車を無心にこいでいると、不思議と嫌なことを忘れられました。

自分の足で進んでいるからなのか。

風を感じているからなのか。

理由はよく分かりません。

でも、

こいだ分だけ前に進む

その感覚が、当時の私にはすごく心地よかったのだと思います。

2019年には、この自転車でみなとみらいにも来ていた

横浜ベイブリッジを背景に停めたビアンキのクロスバイク

昔の写真を探していたら、2019年のゴールデンウィークに、この自転車でみなとみらいへ来ている写真も残っていました。

今では、ここに住んでいます。

当時の自分は、まさか数年後にみなとみらいで暮らすことになるなんて、たぶん想像もしていなかったと思います。

そう考えると、少し不思議です。

自転車で遊びに来ていた街が、

今では自分の生活の場所になっている。

人生って、どこで何がつながるか分からないものですね。

久しぶりに引っ張り出してみた

最近、ふと思い立って、この自転車を久しぶりに引っ張り出してみました。

14年前の自転車です。

当然、かなりボロボロです。

タイヤに空気を入れて、

汚れをウェスで拭いて、

サドルを整えてみる。

すると、

まだ普通に乗れました。

ちょっと驚きました。

そして、かなり懐かしくなりました。

「そういえば、これでいろんなところに行ったな」

と。

その瞬間、

引っ越しの時にどうして捨てられなかったのか、少し分かった気がしました。

自転車そのものに価値があるというより、

この自転車と一緒に過ごした時間を、捨てたくなかったのかもしれません。

弱虫ペダルを見て、さらに好きになった

その後、『弱虫ペダル』という漫画にもハマりました。

その中で、かなり好きなキャラクターの一人が箱根学園の荒北靖友です。

荒北がビアンキに乗っているのを知った時は、

「お、同じじゃん」

と勝手に親近感を持ちました(笑)。

それもあって、余計にこの自転車が好きになったのかもしれません。

もちろん、私は荒北みたいには走れません(笑)。

でも、自転車に乗って無心で前に進む感じは、今でも好きです。

また、この自転車でどこかへ行こうと思う

最近、運動不足です。

ちょうどいい機会なので、またこの自転車に乗ってみようと思っています。

昔のように川崎から鎌倉まで走れるかは分かりません。

たぶん今やったら、かなりしんどいでしょう(笑)。

でも、近場からでもいい。

みなとみらいから海沿いを走るだけでもいい。

少しずつまた、この自転車でどこかへ行ってみたい。

14年前とは、生活も考え方もかなり変わりました。

でも、

自転車は、こいだ分だけ前に進む。

この感覚は、今でも変わりません。

なんとなく、人生にも似ている気がします。

止まる日があってもいい。

ゆっくりでもいい。

それでも、またこぎ始めれば前に進む。

捨てられなかった14年前の自転車に、そんなことを思いました。

人生は終わらない。

50代、まだ終わらない。

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