20歳の息子へ。時間を渡す日タグホイヤーに込めた再出発の記録

離婚。

そして再出発。

ある意味、私の決意の象徴でもある時計がある。

「タグホイヤー カレラ クロノグラフ キャリバー1887」

自動巻きの時計だ。

2010年、タグホイヤー創業150周年を記念し、
初めて自社開発ムーブメント「キャリバー1887」を搭載したモデル。

私がこの時計を買ったのは、離婚後だった。

タグホイヤー カレラ クロノグラフ キャリバー1887 着用写真 自宅

子供たちは福岡へ。

私は、ローンの残る分譲マンションに一人残ることを選んだ。

そこに、子供たちの“帰る場所”を残したかった。

離婚してもローンを払い続ける。

養育費も払う。

それでも前を向く。 そのとき私は、自分なりの再出発を祝いたかった。

なぜ自動巻きだったのか

タグホイヤー カレラ クロノグラフ キャリバー1887 着用写真 ホテル

当時の私は、正直、機械式時計の価値をよく分かっていなかった。

なぜあんなに高いのか。
なぜそんなに人を惹きつけるのか。

でも調べるうちに、分かってきた。

裏面のスケルトンから見える機械の鼓動。

ゼンマイがほどけ、歯車が噛み合い、時間を刻む。

しかもこのキャリバー1887は、
日本のセイコー技術をルーツに持つ。

スイスと日本の融合。

その物語に、私は心を動かされた。

40万円。

当時の私には、勇気のいる金額だった。

でも、時計を受け取ったあの日、

私は確かに「一歩進んだ」と感じた。

10年以上の時間

あれから10年以上が経った。

小学校入学のときに別れた息子が、
今年、20歳になる。

最近はアップルウォッチを使うことが多く、
この時計を着けるのは冠婚葬祭や大切な場面だけだ。

でも、私にとっては特別な一本だ。

私は、だいぶ前から決めていた。 20歳になったら、この時計を渡そうと。

タグホイヤー カレラ クロノグラフ 箱

売ってもいい

娘には言われた。

「弟、時計とか興味ないよ。」

正直、迷った。

でも私は思う。

良い時計は、時代を超えて受け継がれる。

それは単なる装飾品ではない。

そこに刻まれた“時間”ごと、渡すものだ。

お金に困ったら売ってもいい。

今は分からなくてもいい。

でも、いつか。

息子が私と同じ年齢になったとき、

「ああ、そういうことだったのか」 と少しでも思ってくれたら、それでいい。

福岡へ、時間を渡しに行く

今、私は福岡にいる。

3月で20歳になる息子に、
この時計を渡すためだ。

事前に調べて、
天神にあるタグホイヤーの店舗へ向かった。

壊れているわけではない。

それでも、
一度しっかり整えた状態で渡したかった。

オーバーホールと、軽い研磨。

新品に戻すためではない。

この時計が刻んできた時間を、
そのまま次へ渡すための準備だ。

店に時計を預けたとき、

少しだけ、不思議な感覚があった。

自分の中の「一区切り」を、
形にしているような感覚だった。


この時計は、
ただのモノではない。

私の時間そのものだ。

そしてそれを、
今、手放そうとしている。


私は、手放してきた。

家も。
車も。

そして今。

時間を、渡す。


時間を整えるということ

店舗で説明を受けたとき、

オーバーホールと軽い研磨で、

費用は10万円を超えると言われた。
自社製クロノグラフの整備は、やはりそれなりの金額になるらしい。革ベルトに替えた際に付いた傷の部分が、

少し錆びているかもしれないとも言われた。 

これの見出し文字はなんて入れればよいですかね?

状態によっては、もう少し費用がかかるかもしれない。

その話をしたとき、息子は驚いていた。

「修理代、10万円もするの?」無理もないと思う。

まだ20歳だ。

でも私は思う。

これは“修理代”ではない。

ここまで刻んできた時間を、もう一度動かすための代償だ。

これからの時間

家族3人での初めての乾杯 焼肉店 ビール

このあと、娘と息子と3人で
初めて一緒に酒を飲む。


近くの焼肉屋を予約した。


どんな時間になるかは分からない。


でもきっと、
これもまた、忘れない時間になる。


人生はまだ終わっていない。

50代。

まだ終わらない。

だから私は、渡す。

▼人生再設計シリーズ

コロナで人生が止まった日
マンション売却の決断
みなとみらいに住むという選択
外車に乗る夢と手放す勇気
タグホイヤーを子供に渡す、その理由←今ここ

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